トム・クチンスキ展「事事無碍の世界を歩く」Mutual Arising - a case study of interdependence
いわゆる「物事」と「出来事」を理解するとは如何なることなのか?それらの特性、相互関係、「白」と「黒」を超えた統一性を知ることではないか?どうすれば統一性と多様性の視点をまとめる事ができるのか?「理事無碍」という概念は普遍性と特殊性が互いに矛盾し無いことを示している。例えば、「温度−普遍的なもの」と「水−特定のもの」はかけ離れているが、それらは美しい調和を保っている。つまり、普遍的、精神的かつ物質的、肉感的な(特定の)人間、今日、共存できないと思われがちなもの、その両者が揃って最高の状態が生まれるのではないだろうか。
或る東洋思想によると、相互関係を理解する上での究極の段階は、日本で「事事無碍」として知られ、インドでは「インドラの網」に象徴される「露の一雫(ひとしずく)には他の雫が混じり合い、その雫はまた最初の一雫を含んだ露と混じり合っている。」という概念を磨き、浄化することによって得られるとされる。或る一つの「物事」もしくは「出来事」は、その他一切の事物無くしては存在し得ない。森羅万象が草の一葉に委ねられ、一葉の存在が森羅万象を示している。其々が唯一無比の存在である、自立、調和した世界において、絶対権力の必要性は認められ無い。
写真のモザイクを創作しながら、トム・クチンスキは光、形、色彩、その写真がもつ文化、歴史、環境、宗教、認識論、存在論的なイメージ、背景と戯れ「事事無碍」の概念の視覚化に努めている。
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